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月本えりのHELLO,IT’S ME / #06 YouTuberインタビュー

ファッションディレクター月本えりが、今気になることを掘り下げてお送りするコラム「HELLO,IT’S ME」。今回は自身のチャンネルはもちろん、あのRADIOFISHチャンネルのディレクションでも活躍するYouTuberのこじかるさんをお迎えして念願の対談が実現! 気になる質問をぶつけてみました。

こじかる Profile
UUUM所属のYouTuber/RADIOFISHのテクニカルブレインでありメンバー。原宿カルチャーを中心にゲーム、駄菓子、などマルチな動画を制作、最近は小中学生に人気なスクイーズなどを題材にした自身のエンターテイメントチャンネル「りきゃっとあいす・こじかる」でYouTuberとして活動しながら、RADIOFISHのチャンネル「RADIOFISH UNION」を手掛ける映像クリエイターとしても活躍する。

月本「今、子どものなりたい職業の上位に入るYouTuber。ずっとリアルな部分を取材してみたいなと思っていて、やっと実現しました(笑)。そもそも始めたキッカケってなんだったんですか?」
 
こじかる「普通は有名になりたい、お金が欲しい、とかだと思うんですが、僕の場合はもともとブライダルの演出会社を経営していたので、高価な撮影機材や動画編集の技術は最初からあったんです。その仕事で自社のサービスを何度も説明する機会があり、業務時間の短縮と説明のクオリティ向上のといった面で営業ツールとして活用する動画を制作し、YouTubeに配信したのがキッカケです。その後UUUM(YouTuberに特化したタレント事務所)に入り、クリエイターとしてトップYouTuberさんとコラボする機会などを重ねていくうちに自分もマルチなYouTuberとして活動するためにスタイルを進化させていきました……」
 
月本「もともと技術や知識があるという点では、機材などもあるし、やりやすかったですか?」
 
こじかる「「実はブライダルで養った高い技術力をYouTubeというプラットフォームに適したフォーマットに適応させる、っていうのがけっこう大変だったんです。テレビのクオリティをスマホで見ても面白くなかったりするんですよね……。構図で視聴者との距離感が全然違うんです!YouTubeは視聴者との距離がとても近いんです。 僕はプロだったから最初は機材や編集も良くいえばプロ仕様、悪く言えば距離感があって……。だから、機材もあえて劣化させてハンディカムなり、最近の視聴者はスマホで映像を受け取ることが多いということもあり、今はiPhoneで撮影するようになりました(笑)」
 
月本「えーー!! 知らなかった。画像がキレイだから何で撮影しているのかなって……」
 
こじかる「僕のやっている “RADIOFISH UNION” のムービーも今はiPhoneで撮っているんです! レンズやライトをつけたり、といった工夫はしているけど、基本的には、iPhoneとMacBookがあれば撮影、編集ができます。エンドユーザーに合わせて自身の制作スタイルを適応させるのが僕の一番のこだわりです」
 
月本「よくSNSの拡散が社会問題になったりするんですが、撮影許可とかってどうしているんですか!?」
 
こじかる「僕の場合は全部取っています。そこはテレビと同じ!だけど、無許可のYouTuberもたくさんいます」
 
月本「そういう業界のルールみたいのがわかってないんですかね!?」
 
こじかる「いつか問題になるとは思うんですが、インスタの写真とかって撮るのに許可取らないですよね!? でも影響力のあるインスタグラマーが拡散するとお店の意思とは裏腹にバズることがありますよね!? それを求めていないお店にとっては迷惑な行為でしかなくて、そこは YouTuberも同じで、影響力のあるYouTuberも、自分が拡散した後のことって考えていない人は多いです」
 
月本「インスタもそうですよね。自分の紹介したものに責任を持てない人ってすごく多い。今って薄利多売でビジネスだからそういうの気にしない単発のものが多くあるけど、私はちゃんと責任を持ちたいから自分が本当に責任持てるものを紹介するようにしています」
 
こじかる「そういう点では僕らの世界も一緒ですね!経営者視点で考えるとバズれば商売繁盛ってわけじゃないんですよ」
 
月本「確かに! てかすごくまともなインタビューに(笑)。すごく面白おかしい感じになるかな、なんて思ったんだけど」
 
こじかる「YouTuberはけっこう真面目じゃなきゃできないですよ(笑)。じゃないと毎日動画投稿できなくないですか!? でもたまに予期せぬところでバズる人もいて、“明日どうなっているかわからない” っていうのがこの世界なんですよね。急に有名人に押し上げられた人は、やっぱりムチャクチャな人もいたりしますが……」
 
月本「YouTuberって言ったもん勝ちみたいなところあると思うんですけど、こじカルさんみたいな周囲が認める “YouTuber”ってなった場合は、普通に働かなくてもいいくらい稼げるんですか!?」
 
こじかる「稼げます! 僕の場合は登録者数もすごい多いわけではないですし、再生回数もジャンルによって異なります。それでも普通のサラリーマンのお給料くらいにはなっていますよ。動画投稿やめてチャンネル消したら収入は0円です!だから、毎日動画を投稿するというのが、食いつなぐためのシステムなんですよね」
 
月本「毎日人から見られるってなると、気をつけている点などありますか!? 」
 
こじかる「リアル見せちゃっているから、そのあたりはタレントさんと違いますね。男性でヘアメイク入れているYouTuberとかまずいないですしね!テレビ出演で考えたらありえないですけど(笑)」
 
月本「普段はどんな生活をしているんですか!?」
 
こじかる「YouTuber活動だけで話すとネタ探し、撮影、編集。ほぼこれだけです! で、これ以外の部分はたいてい、この動画はなんで再生回数が多いんだろう、とかこれはなんで回らないんだろう……、とかたいていこうことを考えているんです! テイクアンドエラーをやり続けているから、持続できている。意外とオフってないかもしれないですね!」
 
月本「YouTuberを選んでなかったら!?」
 
こじかる「ブライダルの演出会社をずっと経営していたんじゃないかな……、あとカフェも経営していたのでそういうのをやっていたかも!」
 
月本「え!? 普通に青年実業家じゃん(笑)」
 
こじかるル「社長だった僕がある日14人の社員に “今後YouTubeみたいなSNSで楽しめる動画の時代が必ず訪れる!来週からこのブライダル演出会社をYouTubeというプラットフォームに適応した新しい会社として生まれ変わらせる。社名も変更して次なる革新を起こそう!” と言ったら9人の社員が辞めました(笑)。僕はずっと自分で舵を切って生きてきてしまったから社員の気持ちのわからない駄目な経営者だったんですねw 当時はYouTubeなんてアホがやること、みたいなイメージで、今もそういう偏見は大人たちのなかで少しあるけど、彼らには悪いイメージだったんでしょうね」
 
月本「不安じゃなかったですか!?」
 
こじかる「僕にとって不安を払拭できたのが、中田敦彦氏との出会いでした。彼がYouTubeに対してすごく自信を持っていて、“RADIO FISHはTVという旧大陸とYouTubeという新大陸を横断できるグループに進化する” と言い切ってくれたんですよね。あれだけメンバーたちがカッコよくブランディングを作ってきたのに、メンバー全員がYouTubeではそういうのを封印してふざけているんです。それを見て僕は絶対に間違ってないな、って自信を持てたので彼とメンバー全員の存在がすごく大きいです。それと、僕が弱りかけると藤森慎吾氏が励ましてくれるんです。その優しさがとても心地良いんです(笑)」
 
月本「ダンスじゃないリアルを見せることで、逆に何!? みたいな反響はありますよね」
 
こじかる「僕これ初めて喋りますけど、RADIO FISHの一番得意なダンスの部分はキレイにパッケージされているところでファンの皆様に見て欲しいんです。YouTubeは毎日見れる、ファッションでいうとファストファッションみたいなところで、ステージは高級ブティックといったイメージです。だからYouTubeではメンバーの人柄みたいなところを気軽な感じで見てもらいたいんです。でも、1年以内にYouTubeでも高級ブティックをオープンできるようにと思って僕は取り組んでいます」
 
月本「今後のビジネスプランとかってあるんですか!?」
 
こじかる「みんなベクトルが違うけどあると思うんですよね。ただ、これで一生食べていこうとはしていないと思う! みんなその先を見て過程にYouTubeがあるって感じですかね。いつ終わるかわからないから、意外とYouTuberってお金使わないんです! 」
 
月本「話を聞いていると見た目もお金かけないし、化粧もいらない、何なら機材も必要ない! なのに、ほかでも使わないっていう」
 
こじかる「何百万、何千万稼いでいる人も、ファミレスや吉野家によく行くし、意外と生活は地味だったりと庶民的ですよ(笑)」
 
月本「なんか私でもできる気がしてきた! どんなのやりたいかなぁ……、自分の名前を出さないでずっとタラタラ喋りたいな。インスタとかだと、共感を得られないものとかアップできなかったりするから、名前を伏せて、嘘なく自由に喋りたい」
 
こじかる「Googleのアカウントがあれば誰でも簡単に投稿できますよ! 」
 
月本「月本えりとして喋ったらある程度再生してもらえるかもしれないけど、別人でゼロからやるって本当に大変ですよね。そういう点では、内容がすごく大切ですね。スクール水着でウォータースライダーをやったらどのくらい食い込むか、とかやろうかな(笑)」
 
こじかる「それめっちゃ面白いじゃないですか!! ただ、最近規制も厳しくて女性がそういうのやると広告がつかないことがあるので無収入ですねw それに男性がやった方がいいネタだと思いますよ(笑)。YouTuberはそういうネタを毎日考えて投稿しなくちゃいけないです……」
 
月本「毎日かーーー。キツいですね。しかも、食べていくならマーケットのニーズとマッチさせるっていうのも考えないといけないですしね」
 
こじかる「マッチしないと食っていけない! それは間違いないですね。トレンドを精査することも必要ですね。あと、YouTuberはテレビとかのステージと違って、自分でステージを作るので高いモチベーションがないと続かない」
 
月本「よくよく考えたら “本当に好き”っていうのを出したいのに、反響がこないのが怖いから守るものを決めている、みたいなところがある。だけど、自分らしい部分、自信を持って好きなものを出していく方が第三者に響きやすいですよね」
 
こじかる「インスタでもフォロワー減るとか、ありますよね。YouTubeもまったく一緒で、これ再生回数が少ないとか、エンゲージに悩まされることはある。でも毎日投稿するから、すぐ次を作らないといけないし、柱一本じゃ困るからいろいろやってみるんです。じゃないとトレンドに食われちゃうから……」
 
月本「どうやって気持ちを切り替えてますか!?」
 
こじかるル「YouTuberには凹むことすらもネタにする覚悟が必要ですね!」
 
月本「私はリアルを知りたいから、YouTubeが続く限り、くだらなくても面白いことをリアルにやっているものを見ていたいな…….。今日はありがとうございました♪ 最後によく登場するフェレットなんですが何匹飼っているんですか!?(笑)」
 
こじかる「僕を含めると4匹ですかね(笑)」

月本えり Profile
ファッションディレクター 。10代の頃からティーン誌をはじめ、女性誌などのモデルを経て、現在はフリーランスのファッションディレクターとして多数のアパレルブランドのPRやデザインなどに関わり活躍している。DJとしても人気が高く、独自の世界観のファッションで幅広い層の女性から支持され続けている。自身のファッションやライフスタイルなどはインスタグラム(@eritsukimoto)にて発信中。

 

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