踊る大紐育/レナード・バーンスタイン「New York, New York 」

ロック、ジャズ、ヒップホップなどの音楽や映画。〝男〟を感じるものを常に好いてきた高岩 遼のフェイバリットな映画とそれにまつわる音楽を、〝高岩流の男の美学〟として紹介していきます。文章・絵:高岩 遼


ついに! 今年! 紐育(ニューヨーク)に行く! 予定だった、俺だった。だけど訳あってその予定が潰れちまってさ。嗚呼……秋のニューヨーク。ということで、男の映画音楽論、2時限目はNYCにゆかりの深い映画を紹介して行った気分に浸りたい。付き合ってって頂戴よヨロシク! ハイー離陸しまぁす。

 

オープニングでライオンがガオー! のあの製作会社、「Metro Goldwyn Mayer」によるミュージカルの最高傑作とも言えるであろう1949年公開の『踊る大紐育』をご紹介。洋タイトルは『On The Town』。ずっこけ水平3人組がニューヨークに上陸、そこで巻き起こるハプニングとロマンスの24時間を素晴らしい青春歌でテンポよく展開。主演はジーン・ケリー、フランク・シナトラ、 ジュールズ・マンシン。ファッション、髪型、車、立ち並ぶ建築物、歩き方までも、大都市ニューヨークへの憧れを引き立てられる作品だ。言わずもがな『雨に唄えば』の名シーンはみんなよく知ってるミュージカルスター、ジーン・ケリーや、連載2回目で早くも登場スマセン……高岩 遼の永遠のスター、フランク・シナトラの30代前半のバリバリイケイケの姿を拝める(ジーン・ケリーのダンスについていけてないのも可愛い)。ジュールズ・マンシンは……あんまりよく知らないんだ、ごめん(笑)。といった豪華な面々。

 

音楽担当はレナード・バーンスタイン。そうとも! 『踊る大紐育』の何年後に初公演された『ウエストサイド物語』も手掛た人物なんだね。”公演”の表現を選んだけど、ミュージカル映画というものは劇場の生ライヴが大ヒットした後にある。『ラ・ラ・ランド』とはちょっと違う。劇中にはたくさん素敵な曲が登場するんだ。なかでも印象深いのはテーマソング、「New York, New York 」だよな。

 

♩New York, New York, (ニューヨーク、ニューヨーク)
♩a helluva town.(なんて街なんだ)
♩The Bronx is up,(ブロンクスは北で)
♩but the Battery’s down.(バッテリー公園は南だ)
♩The people ride(みんなノリノリさ)
♩in a hole in the groun’.(地下の穴の中でも)
♩New York, New York,(ニューヨーク、ニューヨーク)
♩it ’s a helluva town!(なんて最高の街なんだよ)

 

嗚呼、早く現地で口ずさみたい・・・。

 

勘のいい人はシナトラのヒット「New York, New York」が浮かぶでしょう?

 

残念。アレとコレは別物だ。シナトラのやつは『踊る大紐育』の公開およそ30年後に公開された映画『ニューヨーク・ニューヨーク』の挿入歌の、さらにカヴァー。「シナトラと言えば『My Way 』か、『New York, New York 』ですよねぇ」。オイちょっと待て。それは知ったかに値するぜ。『My Way』はもともとフランス歌曲だし、いずれのナンバーも世界を我が手にした後期シナトラおじさんのヒットだ(俺は未だ完成していないスター街道まっしぐらの若いころのシナトラが好きなの。名曲だけどな!)。他にもシナトラが唄うために作られ、今日でもジャズ・スタンダードとして親しまれている曲はたくさんある。要チェックだ。

 

そんな感じでさ、雨降って夢の王国に行く気がしなくなった2人のお家デートは、ポップコーンでも片手に古き良きミュージカルを観るのもイイ感じよ。男が選ぶからイイのです。

 

おっ、まもなく到着ー!「渋谷~、渋谷~」(泣)。