FASHION

あの人が高ぶる、くつとカバン――尾花大輔

The Choice is Yours

ウエアよりも道具の側面が強いシューズやバッグは、使い勝手ももちろん大切だ。だけど、そこに美学や思い出を込めるとそんな実用品は替えの効かない唯一無二の存在となる。センスの良いあの人たちの心が弾むのは、どんなアイテムに触れたときなのか。納得や共感とフレッシュな驚きで満ちた彼らの”選択”に誰よりクールな彼らの偏愛と情熱を見る。

Photo:Kengo Shimizu text:Rui Konno

専業の方々の技術や品質はすごい。だからコラボは重要だし、やる意味がある

尾花さんが10代のころから古着畑に身を置いていて、そこで多くの名品に触れ、知識を身に着けたのは有名な話だ。「N.HOOLYWOOD」で行われるコラボレーションもそうした遍歴を感じさせるものが多いが、ここまでブランドが成熟してくると、高品質な靴や鞄をコラボではなく、自社で作れるのではないだろうか。そんな疑問を投げ掛けると彼はこう答える。「そんなことはないですよ。やっぱり、専業の方々のクオリティやパフォーマンスはすごく優れていて、いくら僕らが頑張ってもきっと”似たようなもの”しか作れない。だからコラボレーションは重要だし、やる意味があるとも思っています」。ここで挙げたのは、そんな視点が活きたアイテムたち。シューズは数年前に発売された「new balance」とのコラボモデルで、ブラックやアイボリーのコントラストが絶妙にノーブルだ。「new balanceのオフィスで約100年前、おそらく創設当初の本社の写真があったんですが、そのセピアカラーがすごく綺麗で。それで、カラフルな”530″をこの時代にタイムスリップさせてみようと思い、古い写真機で撮影して生まれたのがこのカラーです」。結果は即日完売。次の秋冬には、そんな人気色を受け継いだ、後継モデルも登場する。そして、バッグは「PORTER」が製作を手掛けたもの。「昔からL.L.Beanのミニトートが好きだったんですが可愛い色しかなく、使いやすいカラーリングのものが欲しいと思い、10年くらい前にこのサンプルを作っていただきました」。当時はコストの問題であえなくお蔵入りとなったが、今年、職人の協力を得て実現にこぎつけた。「偏ったものや歴史があるもの、人物やできごとに対する強い思い入れがタグされたもの。あとは、未来が感じられるまったく新しいもの。月並ですが、それが僕にとっての魅力的なプロダクトの条件です」。

写真左_「N.HOOLYWOOD COMPILE × PORTER」のミニトートバッグ
真っ黒のコットンキャンバスを使い、ピスネームまで同色にしたミニマルな色使い。尾花さんがテストを兼ねて使い込んだことで色落ちが出始めている。「単体で持つにも使いやすいサイズだと思います」

 

写真右_「N.HOOLYWOOD × new balance」のシューズ “M530MH”
2015年に行われた、両者のコラボ第1弾。奥に覗いている同様のカラーウェイを踏襲した”MS247DNH”が今秋発売予定。「自分でも初めてのクリエーションスタイルだったので思い出深いです」

Name:尾花大輔 Job:N.HOOLYWOOD デザイナー

Profile:1974年生まれ、神奈川県出身。学生時代に古着屋で働き始め、20歳前にはバイイングにも携わり、2001年に「N.HOOLYWOOD」を立ち上げる。先ごろ、長年参加しているNYコレクションから帰国したばかり。

※本ページは『warp MAGAZINE JAPAN』2018年4号に掲載された情報を再編集したものです。

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