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それぞれの時間、それぞれの渋谷 ――今里

Shibuya and Me それぞれの時間、それぞれの渋谷

今日もここはひとびとの活気で溢れていて、悲喜こもごもの人間模様を描いている。ここで長い時間を過ごしてきた人たちはビルの谷間で何を想い、どんな経験をしてきたのか。渋谷。こうしている今も、この街では誰も知らない新たな物語が生まれている。


「渋谷は、遊びに行く街というよりは"通り道"にあるって感覚」

渋谷からほど近い中目黒と下北沢というカルチャー色の濃い街で、思春期から自身のアイデンティティを培ってきたハードコアパンクバンド、Struggle For Prideの今里さんは、渋谷という街を俯瞰して見てきたと話す。「僕にとっての渋谷は、中目黒と下北沢を行ったり来たりしているときの”通り道”って存在ですね。それこそ友達のお店もたくさんあるんですけど、遊びに行くというよりは通り道にあるって感覚。だから日中からいるというよりは、日が暮れてから友達と会ったり、映画を観にってふらっと寄ることが多い。それは昔からで、渋谷は中に入って遊んできたというより、外から見てきたって感じですね」。では、東京で生まれて東京で育ち、長らく東京の路上を見てきて今の渋谷はどう見えているのだろうか。「街の雰囲気としては大きく変わったってイメージはないですけど、人は減ったかな。それこそ時代に合わせて。これからもそれはどんどん加速していきそう。あとは単純に好きなお店が潰れてしまっているんですよね。いわゆる個人経営のお店がどんどんなくなったりして。それは寂しいです」。古いものが壊され、新しいものが建つ。時代の流れと言えばそれまでだが、全部を作り変える必要はないということだろう。「でも変わらず残っていくものもあると思うんですよね。このお店だってそう。友人が働いているってこともあってひとりでよくチルしに来るんですけど、いい意味で放置してくれるんですよ(笑)。だからひとりでいるにはいいんですよね。コーヒーも美味しいし、店も雰囲気もいいし。そういう気に入っているお店は残って欲しいですよね。でも、新しい渋谷も好きですよ。それは道路が変わったり、新しいビルが建ったりって、街の景色が変わっていくのはなんかいいなと思います」。そう話す今里さんは、今日の夜もこの街のどこからか、変わっていく街の景色を眺めているのだろう。

 

LACOSTEのポロシャツ 1万3000円(LACOSTE お客様センター ☎0120・37・0202)、KANGOLのキャップ 4600円(KANGOL HEADWEAR ☎03・6805・1272)

 

photo:Shinpo Kimura

profile

Name 今里
Job Struggle For Pride
At 茶亭 羽當
東京を、いやみんなの遊び場である街のストリートを代表するハードコアパンクバンド、Struggle For Prideのフロントマン。リリースとしては、2006年に発表され廃盤となっていた名盤『YOU BARK,WE BITE. 』が、追加レコーディングを行い新たに再リリース。さらに間もなく待望のニューアルバムのリリースも控える。

 

茶亭 羽當
住所:渋谷区渋谷1-15-19 二葉ビル2F
☎03・3400・9088
営業時間:11:00~23:30

休日でも足を運びたい場所


Grand Gallery
「普段はショップなんですけど、不定期でパーティもしていて、僕もたまにDJさせてもらったり遊びにも行っています」

 

住所:渋谷区富ヶ谷1-5-3 岸ビル1階
☎03・6407・0750
http://www.grandgallery.jp/
営業時間:11:00~19:00※水曜、第3木曜定休

HENRY HAUZ
「ENOSHIとはもう昔からの友達で、ちょうどこのショップはオープンしたばかりなので、これからぜひ遊びに行きたいですね」

 

住所:渋谷区神宮前3-15-8 1F
☎03・6804・2976
@roughandrugged_lifelog@henryhauz
営業時間:14:00~19:00※月曜定休

カフェ&レストラン マーブル
「ホテルのロビーにある喫茶店なんですけど、静かなのでチルにはぴったりで。待ち合わせ場所やひとりでも行きます」

 

住所:渋谷区恵比寿西1丁目9-5 ホテルエクセレント恵比寿
☎03・5458・5776
http://www.soeikikaku.co.jp/restaurant/marble/
営業時間:7:00~22:00

※本ページは『warp MAGAZINE JAPAN』2018年6号に掲載された情報を再編集したものです。

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