FASHION

アンナ仕事、コンナ仕事の人たちが愛する、俺の定番シューズとバッグ。

世の中にはいろんな仕事の人がいて、それぞれが自分なりの定番を持っている。そこに重大な関係性があるかもしれないし、そんなのまったくないのかもしれない。でも間違いなく、彼らの人となりが感じられるには違いない。

photo:Teppei Hoshida text:Nobuaki "Tommy" Tominaga

「これ以外いらないし、死ぬまで履き続けるつもりだよ」
「実は今の俺のスケートスタイルって、ピストバイクからヒントを得たものなんだよね。速い=スゴイっていうマインドにも共感できたし、ファッションもかっこよかった。そこから影響を受けてメッセンジャーバッグを探していたときに、友達のピスト乗りに勧められたのがCHROMEの”CITIZEN”。それ以来、5年以上使っているけど全然壊れない。ウォータープルーフの機能素材で死ぬほどタフだとか、自転車に乗った状態で荷物がスムーズに出し入れできるように配置されたレイアウトとか、とにかく俺の美意識にすごくマッチするんで、今や完全に定番だね。去年からサポートしてもらっているけど、もうコレさえあれば他はいらない。シューズはetniesから2016年にリリースされた俺のシグネチャーモデル”Jameson MT × FESN”。基本黒しか履かないからソールまで全部真っ黒。しかも合皮じゃなくてリアルレザー! 分厚い撥水コーディングを施しているから雨の日だって問題ないし、トゥにステッチがないので耐久性も抜群。極めつけはヒールの日の丸刺しゅう。俺の好きなモノが全部詰まってるね、コレには。メーカーのストック分も全部買い取ったから、死ぬまで履き続けるつもりだよ(笑)」。(ともに本人私物)

森田貴宏_プロスケーター/FESN 主宰
東京・中野を拠点に活動するスケートボードプロダクション「FESN」主宰。普段はDIYクルーザーの専門ショップ「FESN laboratory」でオリジナルのボードを生み出し続けている。

「いかに心地良いと感じるか、今はそれが1番大事です」
「正直バッグって普段あんまり持ち歩かないんです(笑)。荷物といっても、小銭入れと財布とスマホ、あとは手ぬぐいくらいだし。そんな僕にとっての定番って、と考えたときに思い浮かんだのが中目黒のInspire Tokyoで買ったoaxacaのトートバッグというかエコバッグ。胡散臭いガイコツの刺しゅうが可愛いし、タイダイ柄もドンズバ。ちょっとした買い物のときに便利なんですよこれが。あとはそこにblackmeansの小銭入れを装着。今度、天神湯とのコラボバッグも作る予定なので、そっちも完成したら定番入り必至! 逆にシューズの定番は、履き心地重視のnew balance “481V2″。他の人と被らない1足が欲しくて、たまたま本国の公式サイトで見つけて、すぐに海外通販購入しました。多分トレラン用だと思うんですが、甲高幅広な僕の足にも合っていて、すげえ履きやすいんです。今年で37歳になるんですが、僕が定番に求めるのは、”使いやすさや履きやすさ”なんですよね。昔はこのバッグのようにルックス重視で頑張っていたけど、今やルックスは二の次。そりゃあ、なるべく他の人と被らないほうが嬉しいけど、いかに心地良いと感じるかのほうが重要かなって。そこは風呂屋なだけに(笑)」。(ともに本人私物)

岡村尚佳_天神湯 オーナー
“品川区イチの黒湯”とも称される、北品川のイカした銭湯「天神湯」を日々切り盛りする人。アパレル業界人にもファンが多く、1度見たら忘れられない風貌と人懐っこさが特徴。

「好きすぎて捨てられず、どんどん溜まっていく一方」
「自分の中で定番シューズっていったらVANSの”SLIP-ON”。しかもいつもネイビーばっかり買っちゃうんですよね。手に入れたら、最初は街で普段使い用に街履き。するとだんだんとボロボロになってくるんで、そうなった後はもう畑行き。畑仕事で履くと確かに楽ではあるんですけれど、その分、泥がすごく入ってくるから脱いだ後の手入れが面倒臭い(笑)。だけれど、あまりに好き過ぎて中途半端な履き込み具合じゃ捨てることもできずに、溜まっていく一方で……。俺、この歳で親に『古いのはいい加減に捨てなさい!』って言われてますからね(笑)。で、そんな中でも真っ白な状態をキープしているのが、SSZがコラボ第1弾で作った”REVERSE SLIP ON”ですね。これは嬉しすぎて、もったいなくて未だに履けないままではありますが(笑)。バッグだとPORTERのミリタリーデザインのモノが好きで、いろいろと使ってきました。今回持ってきたのは”REMOVEL”っていうシリーズのバックパックなんですが、素材にドビー織りのクロスが使われていて、フロント部分を取り外せばショルダーとしても使えるっていうギミックが面白い! これもすごい好きで、やっぱり同じのを3つ持ってたりします」。(すべて本人私物)

加藤忠幸_BEAMS バイヤー/SSZ デザイナー
「BEAMS 」のサーフ&スケートのバイイングと「SSZ」のデザインを手掛ける。また、家業である加藤農園4代目の顔も。今後も様々なコラボを予定しているのでインスタをチェック。

「友達のコラボだからっていうのも、ひとつの理由ですね」
「今回、定番をと聞いて持ってきたのは、FABRICK® × HIDDEN CHAMPION feat. MHAKのトートバッグに、adidas Skateboardingの”ADI-EASE × MHAK”。これには両方ともMHAKっていう日本人ペインターが描いたアートワークが使われています。彼とはもう、10年以上前からの友達なんですけど、もともとはイベントなんかで顔を合わせている内に、気付いたら仲良くなっていたという感じで……(笑)。もちろんウチのお店にもよく遊びに来てくれますよ。店内の照明や置かれているクッション以外に、実家が営んでいる中華屋の店内にも彼のグラフィックがワーッと描かれていたりしていて、ほんと大好きなんですよね、彼の作り出す世界観が。もちろん友達だからってだけではなく、バッグ自体のサイズ感や、荷物をサッと取り出せる使いやすさとか、プロダクトとしても気に入っています。シューズは僕自身、あまりスケートボードはやらないんですけど、スケシュー自体は好きだし、そこはやっぱり友達が関わっているならってことで。でもそれだってモノ自体がカッコイイって思えるからこそ。そういった関係性の上で手に取ったモノだから、定番として大切にしたいって思えるんじゃないかな」。(ともに本人私物)

板橋竜馬_OHKA THE BESTDAYS オーナー
池尻と中目黒の間にあって、クラフトビールと餃子が楽しめる餃子屋さん「OHKA THE BESTDAYS」のオーナー。ちなみに最近、子どもが生まれたばかりの新米父ちゃんでもある。

※本ページは『warp MAGAZINE JAPAN』2018年4号に掲載された情報を再編集したものです。

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