『京都大作戦2017 ~心の10電!10執念!10横無尽にはしゃぎな祭!~』

10-FEETが地元・京都で主催する音楽フェス”京都大作戦”が、開催10年目、10回目の記念すべき開催を迎えた。これまでにほぼこのフェスには足を運んでいる。その中でも今回は、僕にとっていつまでたっても忘れることがない3日となった。正確には、この京都大作戦に参加したみんなにとってもそうなっているだろう。これから書く話は、その京都大作戦について。でもどんなアーティストたちが出演して、どんなライヴをしたなんて話をするつもりはない。10-FEETの音楽がどれだけ多くの人たちに愛され、そして10-FEETがどれだけ多く人に感謝しているのか、さらに京都大作戦が、そのみんなにとってどんなものなのか、といった話だ。舞台はもちろんこれまでと同じ、京都は宇治市にある総合運動公園、太陽が丘。まだ足を運んだことない読者のみなさんとは、来年はこの場所で会いたい。
10-FEETは、今から20年前に京都で結成された3ピースバンドだ。彼らの生み出す楽曲は、僕らの心を温めてくれ、時には笑わせてくれ、そして泣かせてもくれる。そんな情熱的な音楽だからこそ、結成20年を迎えた今でも決して色褪せることがない。それを京都大作戦では否応なしに感じさせられる。なぜなら会場にいるオーディエンスたち、そして出演するアーティストすらも口ずさんでいるのだから。このまさに会場がひとつの音楽となった景色には、感動的すぎてつい涙が出てしまう。僕らは独りじゃないんだ、みんなと音楽で繋がっている、そう思える瞬間。そんな素晴らしい瞬間だからこそ、出演者は10-FEETのライヴに乱入したくなるのだろうし、一緒にライヴをしたくなるんだと思う。この乱入劇も毎年恒例なのだが、音楽が持つ人を惹き込む力を感じずにはいられない景色のひとつだ。
そんな京都大作戦で今回、印象に残ったこと。それは3日目、突然の雷雨に1度は中断を余儀なくされ、10-FEETを含めた出演を控える3バンドが、なんと1時間にも満たないタイトな時間でパフォーマンスで終えた後、楽屋裏でTAKUMAが出演者たちに向けた挨拶のとき。3バンドが短い時間でしかライヴを披露できなかった(これはとても素晴らしいライヴだった)ことが悔しくて、みんなの前で大きな声を出して泣いていた。謝ることなんてないのに、大きな声で泣いて、そして謝って、そしてみんなへの感謝を口にしていた。来年は、来てくれた人たちにもっとすごいライヴを見せたい、そんな弱さも強さも入り混じった男の姿だった。11回目になる来年の京都大作戦。その日が来るまで、TAKUMAはこの3日間のことを語ることはしないだろう。その日はどんな姿を見せてくれるか、みなさんその目に焼き付けに行くべきだ。
最後に、10-FEETの最新シングル『太陽と月』が素晴らしすぎると追記しておく。歌詞と合わせてぜひとも聴いて欲しい。