街を軽快に馳ける表現者の足下 Vol.03 KAREN LIGHT STEP ON THE STREET JADE 2017 A/W COLLECTION Vol.03 KAREN

JADE=翡翠(ヒスイ)。地下に埋もれる鉱物も、発掘され研磨されることで、いつしか美しい宝石へと姿を変える。同ブランドは、ダンサーのリアルな声を機能とデザインに反映したシューズで、ストリートから高みを目指す意欲的な表現者たちをサポートしていく。ここでは、宝石のように今個性的な輝きを放つ3人の若き表現者たちに光を当ててみた。

photo:Shun Komiyama styling:Daisuke Deguchi hair&make:monmo text:Shu Nissen

本企画のラストを飾るのは、KAREN。 CYBERJAPAN DANCERSに所属し、国内クラブイベントのみならず、アジアをはじめ世界を飛び回り各国のフェスやパーティに出演している。モデルとしての活動も多く、昨年はCDデビューも果たすなど、人気メンバーとして目まぐるしい日々を送る彼女が、これまでの道のり、そして夢を語ってくれた。様々なメディアで頻繁に目にする彼女たちだが、そもそもCYBERJAPAN DANCERSとは一体どんなグループなのかまずは教えてもらった。「音楽イベントのDJプレイ中に踊る、ゴーゴーダンサーグループですね。基本的に昼は別の仕事をしている子たちが多くて、OLから、モデルにパン屋さんまで本当に色んな人が集まってます。私も、今は大学に通ってるんですよ」。CYBERJAPAN DANCERSとの出会いは、大学1年生の頃。現在、ようやく卒業を控えた大学4年生となったわけだが、学業との両立には苦労があったに違いない。

「今の大学に入った理由は小学校から続けてる陸上がやりたかったからなんですよ。陸上で有名な学校で日本代表が何人も出てるような強豪です。そんな中で私もハードル走の選手として部活に参加してました。高校からずっとギャルだったんで、髪の色は紫で完全に浮いてましたけどね(笑)」。アスリートとして陸上に励みながらも、"ギャル"としてもしっかり遊ぶ。その頃の臆さず未知の世界に飛び込む旺盛な好奇心とそこから培った広い人間関係が、CYBERJAPAN DANCERSへスカウトされる切っ掛けとなる。「君、サイバーっぽいからやってみない? 」って、社長の知り合いから声を掛けてもらったんですよ。人前に出るのも踊るのも大好きだったので挑戦することにしました。思いのほか忙しくなって、今は競技者としての陸上はできなくなっちゃったんですけど、学校は夜間にして、撮影の仕事を昼に詰めて、授業はなんとか受けてます。環境は大きく変わりましたが、それより新しくやりたいことが見つかったのが嬉しかったです」。

それまでダンスの経験はまったくなく、リズム感はゼロ。しかし、持ち前の積極性、そして体育会系のストイックさという強い武器を持つ彼女がパフォーマーとして頭角を現すのに時間はかからなかった。「最初はステージに立てるレベルじゃなかったですね。でも、なんとかしなきゃと思って、自分でお金払ってレッスンに通い始めました。ゴーゴーダンサーって決まった振り付けがあるわけじゃなくて、音楽に合わせて各々が踊るものなんですよ。メンバーの全体練習とかもなくて、個人のスキルがものを言う世界。だから、カッコよく見られたければ、自分で練習するしかない。DJさんが何を流しても合わせられるように、いろんな音楽を聴いて、いろんなジャンルのダンスのレッスンを受けてからは、ようやく音を聴く余裕も出てきました」。大観衆を前にステージ上で輝きを放つ、ダンサーたちの華やかなダンスと弾けるような笑顔。その裏には秘めたる努力が隠されていたようだ。しかし、彼女はそれを苦に感じるどころか、自分を高めることがライフワークだと話す。自分のための正しい時間の使い方を心得ているのだ。

「自分磨きが仕事であり、趣味ですね。競技者時代からトレーニングと身体作りはずっと続けていて、美容もいろんな物を研究して試してみたり、あとはピストバイクに乗ってみたりとか。常に新しいことにチャレンジするのが好きで、人と違うことがしたいっていつも思ってます。今は踊ることが1番楽しいけど、そこから次に繋がる何かを模索中です」。彼女の纏うポジティブなエネルギーの正体は、並外れた向上心から来るものなのかもしれない。今回もメンズファッションの媒体でモデルとして登場するのは、ほとんど初めての経験だったようだが、頑張ってモデルになりきりました! と天真爛漫に話す。「今日は全然普段と違うジャンルのファッションをスタイリングしてもらって、嬉しかったです。靴もすごく好み。自分で買う時は見た目だけで決めることも多いんですけど、今日履いたスニーカーは、ファスナーとかベルトだったりデザインも凝ってて可愛いし、軽いからすごい履きやすかったので言うことなしですね」。

インタビューの最後に今後の夢について聞いてみると、意外な答えが返って来た。「やっぱり、スポーツをどうしてもやりたくて。選手になりたいわけじゃないので、陸上に限らずスポーツに携われたらいいなと思ってます。最終的にはトレーナーになるっていうのも良いかなと思います」。大学卒業後は一先ず現在の活動に専念するようだが、今後どんな道を選んでも、きっと寄り道にはならないはずだ。全ての経験から学びや気づきを得て自分を高めていく彼女の人生は、真っ直ぐ1本の道として繋がっている。この可憐で努力家のエンターテイナーは、新たなステージへ上がってもきっと周囲を笑顔で満たしてくれるに違いない。

BELPERのデニムジャケット 4万2000円、スラックス 3万2000円(キッズコースター)、HENZA LOS ANGELESのビスチェ 1万円(HENZA)、USEDのチェーンベルト 3500円(FAITH)

キッズコースター 渋谷区千駄ヶ谷3-53-11 カルム原宿1F ☎️03・6721・0566
HENZA info@henza-losangeles.com
FAITH 東京都渋谷区神宮前4-31-16 201 faithtokyo.net

"FORTH" 2万1600円(税込)

ダンスファッションへ馴染むヴィジュアルに仕上げたハイカットブーツは、ラグジュアリーな存在感を放つアナコンダ型押レザーのアッパーがインパクト抜群。ベルト有り・無しの2WAYで楽しむことが出来る。ライニングは牛革、ソールはオリジナルのIPソールを採用している。直営店の「JADE 原宿店」「JADE 渋谷109MEN'S店」や「JADE ONLINE SHOP」などで発売中。

▼詳しくは、
JADE 原宿店
☎︎03・6721・1500
www.shoe-style.jp/ext/jade_top.html

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