FASHION

あの人が高ぶる、くつとカバン――今野直隆

The Choice is Yours

ウエアよりも道具の側面が強いシューズやバッグは、使い勝手ももちろん大切だ。だけど、そこに美学や思い出を込めるとそんな実用品は替えの効かない唯一無二の存在となる。センスの良いあの人たちの心が弾むのは、どんなアイテムに触れたときなのか。納得や共感とフレッシュな驚きで満ちた彼らの”選択”に誰よりクールな彼らの偏愛と情熱を見る。

Photo:Kengo Shimizu text:Rui Konno

自分の絶対王者的キックスと一緒に持ちたいハイプなバッグ

常にその日の足下のチョイスに視線が集まり、彼がデザインに関わったとされる”AIR FORCE 1″の発売日には長蛇の列ができ、即完売する。今野直隆の名前は東京を飛び出て、今や世界中のストリートが知るところとなった。そんな国内屈指のキックスフリークをもってして、「これが俺にとって、スニーカーの絶対王者なんです」と言わしめるのが、やはりJORDAN BRANDの”AIR JORDAN 1″だ。「中でもこの”ロイヤル”っていう色が好きなんです。高校時代にオリジナルを古着屋で買おうにも高くて手が出ず、2001年に初めて復刻されたときは当然買えず、プレ値で買いました」。先の”AIR FORCE 1″の発売前に、多くの友人や知人からの取り置きのオファーを断ったのも、彼自身がそうしたフェアな争奪戦を体験しているからだ。「このカラーは復刻されることも少ないから、今では出るたびに買ってます」。シューレースには、師匠でもある「NEXUSVII.」の今野智弘さんからのプレゼントだという「BLIND MAN TOGS」のシルバーアクセを付けている。そして、そんなお気に入りのキックスと合わせたいと話すバッグがキム・ジョーンズのラストシーズンとなる今季の「LOUIS VUITTON」のもの。「キム・ジョーンズは、本気で高級なストリートウエアを作れていると思うんです。やっぱり同世代だな、ってうなずける部分も多いですね。ひさしぶりにLVのバッグを買いました」。新鮮な青のモノグラムと、しっかりカラーマッチさせた”AIR JORDAN 1″。どれだけその名が大きくなろうが、彼は今も音楽を愛してストリートに敬意を払う、ひとりのB-BOYなのだ。

写真左_「JORDAN BRAND」のスニーカー”AIR JORDAN 1″
人気の衰えないオリジナルカラー。こちらは昨年復刻された、シボ感の強いタンブルドレザーを使ったもの。「シューレースアクセは、ヴィンテージのTiffanyのスプーンから作っているものだそうです」

 

写真右_「LOUIS VUITTON」のポーチ
メゾンのシグネチャーたる柄を、配色で刷新したキム・ジョーンズの意欲作。アクセントになった赤の金具は、登山用のカラビナに着想を得たもの。「LOUIS VUITTONは今でも憧れのブランドのひとつです」

Name:今野直隆 Job:MAGIC STICK デザイナー

Profile:1976年生まれ、東京都出身。2011年に「MAGIC STICK」をスタートする。デザインに関わったとされる「NIKE LAB」”AIR FORCE 1 QS”でもストリートを沸かせているスニーカーアディクト。

※本ページは『warp MAGAZINE JAPAN』2018年4号に掲載された情報を再編集したものです。

RELATED POST

TOP