2010年3月アーカイブ

そしてついにその時がやって来た。
忘れもしない昭和→平成へと移り変わる日が、
オレにとっては記念すべき、マーチンデビューの日となったのだ。
それまでに『宝島』の体裁がデカくなったり、

ラフィンの野音があったり、オナニー目当てで隠れてビデオ録画していた『11PM』ではビースティ・ボーイズが黒木香とセッションしてたり、兄の同級生が学ランにアディダスのスーパースターをヒモなしで履いてきたり、丸井川越店の地下1階では量販じゃないスケボーコーナーが設置されたり、兄たちはネルシャツを腰に巻いたり、半袖シャツの背中にドクロとかスイサイダル書体を落書きしてスケボーしてたり、『子どもたちのCity』
をこっそり聴いて泯クリと
GO-BANG'Sにこっそり胸キュンしたり、赤痢を聴いてカッコ良すぎてチビリそうになったり、兄が欠かさずビデオ録画していた『冗談画報』や『FM-TV』をチェックしたり、いとうせいこうの「BODYBLOW」(『ハイブリッドチャイルド』OPテーマ曲)と
グレリチの「牛乳&タバコ」が
自分たちのまわりだけで秘かに流行ったり......などなどなどなど、この短期間におびただしい情報が大洪水のようにまとめて流れ込んできた(中学2年〜3年くらいか)。
それでもパンクスピリットってヤツがすでに芯として出来上がってたみたいで、その頃はCOCKNEY REJECTSを入り口にそのへんに夢中だったから、マーチンへの思いは強くなる一方だった。
しかも叔父が、ものすごいグッドタイミングでオレと兄にMA-1(モノホン)をお土産かなんかで支給してくれた(オレがネイビーで兄がオリーブ)。さらに男子生徒は全員丸坊主という当時の校則もオレにとっては好都合。逆に限界まで髪を短く刈り込んで、眉毛も自分でほとんどむしり取っちゃったくらい。兄には死んじゃうんじゃねーかってくらい大爆笑されて、母親にはどえらい怒られた。
そんなこんなで、当時からすでに伝説となっていたバンク屋、
原宿「DEAD END」へ、日の丸が掲げられた表参道を独り足早に歩き向かった。
早い段階でこのショップを知ることができて本当に良かったと思う。『DOLL』の広告や、
『宝島』のたぶんこの号で
見たリストバンド、っていうか武装アイテムは中学生には早すぎたのかもしれないが、「ファッションパンクスお断り。メディアなんてすべて嘘っぱちで、ウチが本物だ」と、堂々と公言し、まさしく珠玉の逸品を生み出すスタンスは今も自分の血と骨になっている。
「DEAD END」は今で言う裏原宿の中心部に居を構え、細い階段を上がると入り口脇にはでっかく「BUY or DIE」の看板。そーっと中に入ると店内は......薄暗い。色々物色したかったんだけど、長時間居ることがどうしても出来なかった。お目当てのマーチンを出してもらって、店員のお姉さんにぶっきらぼうに「履いてく?」と聞かれ「い、いいっすか?」と即答したところ、黙って黄色い平ヒモ(14ホール用)を持ってきてキンキンに締め上げてくれた。............もう、それだけで満足してしまい、帰り道はものすごく誇らしい気持ちだったのが忘れられない。
そこからオレは洋服や音楽なんかの情報を「DEAD END」からたくさん教えてもらった。ロンジャンもココで買ったし、滅多に見つからないようなバンドのTシャツもココで売ってたし、ARTIFICIAL EYEやUK TODAYなんてのもココで知った。フリージン(?)「DEAD END NEWS」も穴が空くほど読んだ。ちなみに中学3年の美術の授業課題だったレリーフ制作はDEAD ENDの(確か)カタログの表紙(イスに腰掛けた悪魔)を模写した(おかげで成績は5!!)。
つーわけで(?)オレはこの多感な時期に、女子にはまったくモテなかったし、
友だちもごく限られてたし、スポーツはおろか部活動なんてものにも
あまりまともに取り組んでいなかった。
だって、こんなにすんげー刺激的でカッチョイイことが一杯あるのに
そんなことに時間を費やしてるヒマなんてないじゃん!
マーチン話からだいぶ離れてしまったが、重要なのはそれを身に付ける人間だ。
わかるか? お前ら!

「とーやまさぁ〜ん、そんなもんどーでもいーじゃないっすか〜
感性でイッちゃいましょうよーー。あ、イッちゃうといえば、
安くて調子いいピンサロでも紹介しましょーか?」(落合)

「・・・・ノリでいいんじゃないっすか?
(めんどくせーなー、このひと.......もう聞こえないフリしとこ)」(市川)
..........................。
オレはそんな希代の天才でもないし、自分の感性に自信もない。
だから自分が今まで経験したり見聞きしてきたことを基に
善し悪しを決めているし、それしかできない。
そのなかでDr.マーチンは、間違いなく『誇らしく履けるカッコ良いブーツ』と断言できる、
数少ないアイテムなのだ。
長くてすんません。って、誰も読んでないか!!

ちなみにコレ、探してます.....
そしてそうこうしてる............いや、しなくても
すぐにたどり着いた、ブーツ=Dr.マーチン。
いろんなレコジャケやライブ写真で見る黄色いステッチのブーツ。
「コイツじゃねーと、話にならねぇ...」
ヘンテコな格好で地元をウロウロしていて
度々ヤンキー集団に追っかけられながら、
早くも次のブーツに照準を絞った。
マーチンの選択肢はいくつかあって......
01. 色。黒かチェリーか?
セオリー通りにいけば、一足目はどう考えても黒だろう。
んでも、チェリーのほうに思いっきり惹かれた。
革靴やブーツが黒いのは当たり前。
それに対してチェリーレッド(決して茶色ではない)......の、
なんとお洒落な色!というファーストインパクト。
02. ホール数。8ホールか10ホールか、はたまた14ホール、それ以上?
コレは即決で10ホール。8ホールは女々しいし、14ホールはあまりにも
レベルが高すぎる。ジーンズを極細でロールアップした時のバランスが
一番良いのはやっぱ10ホール。
03. スチールキャップ有りか無しか?
無し。
当時の感覚では、スチールキャップでつま先が丸っこくなってるのが
なんとなく子供っぽく見えた。半透明のボリュームのあるソールに
ペタンとしたアッパーが大人な感じでカッチョ良くて憧れた。
でも攻撃力が高いのはスチール入りだったり、
兄の友達がすでに14ホールのスチール入り(黒)という
最強仕様を履いていて超カッコ良かったので、実際はちょい迷ったりした。
そうして、前述のレンタルレコード屋で『消毒GIG』『FUCK HEADS』『KILL UGLY POP』『9SHOCKS TERROR』『THRASH TIL' DEATH』『正直者は馬鹿を見る』『A FAREWELL TO ARMS』『LEAVE ME ALONE』『DON'T BE SWINDLE』『MY MEAT'S YOUR POISON』なんかをカセットテープに録音しながら金を貯めていったのだった。
つづく(......と思う)





