【#wcw】山や山屋のよもやま話 #01

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02/01 19:02 UP DATE COLUMN

【#wcw】山や山屋のよもやま話 #01

今やそこらのスーパーで売ってる野菜だってシグネチャー(署名)を刻む時代、雑誌だって作り手の顔が見えなきゃ! というワケで雑誌ではなかなか見えてこないwarp MAGAZINEクルーの意外な趣味や日常を披露すべく、”#wcw”(warp crew wednesday)と題してwarpweb上で個々に不定期連載コラムがスタート。SNS上の”#WCW”はWomen Crush Wednesdayの略称でお気に入りの女の子なんかをアップするらしいのですが知ったこっちゃありません!

第1回 ミニマリストは鍋蓋に金を掛ける!?

そんなこんなで、言いだしっぺのwarpweb担当でクルー随一の陰キャな男・サカイは、warp MAGAZINEらしからぬ趣味の山関連のネタを細々と掘っていきたいと思います。山ガールなんてのはすでに死語のような気がしますが、最近の山は中高年や初老のたまり場ではなく、色んなアクティビティが生まれており年齢や性別を問わず幅広い層に大人気。読者の中にも山を楽しんでいる人が意外といるかとは思うのですが、興味のない人からするとチョットしたコトでも”?”を連発する事案が意外と多いこと多いこと……。

この前も、我らが編集長から素朴な疑問として「何で山に登ることを”山をヤル”っていうの!?」と聞かれ、確かに……となったことがありました。恐らく山岳小説などから影響を受けて自然とドヤりながら口にしていたんだと思います。でも、そんな形から入る私でもおいそれと口にできない言葉があります。”山屋”という称号と”やっつけた”ってな言い回し。前者はかなりハードコアな人たちの称号で、社会生活とかほぼ捨てて岩に張り付いているような人たちのコトです。さらに専門のスキルを手に入れクラスチェンジした人たちは、岩屋、沢屋なんて言われたりします。何にせよ”屋”の1文字に「山の経験は売るほどあるゼ!」という矜持を感じます。そして、後者は「この前の連休で錫杖岳をやっつけてさ~」みたいに言うんですが、俺が正義だと言わんばかりの”やっつけた”なんて言葉はそんじょそこらの山では言えません。「高尾山やっつけて……」なんて言おうものならいい笑いものデスが、いつかは自然に言えるようになりたいもんです。

閑話休題、少し話が脱線しましたが山の常識なんて世間の非常識というワケで、そんな普通の人には理解しがたいニッチなモノやコトを通して山遊びの”今”や楽しみをお届けしながら”山屋”を気取って行ければと思います。そんな訳で第1回は写真のギアを紹介していきます。左側のアイテムですがあるモノのフタで、お値段は3300円(+税)也。右隣は比較用に置いてみた我が家の鍋のフタ100円(+税)です。3000円もあったらそれなりの鍋本体が買えるこの時代にフタだけに大枚をはたくなんて馬鹿だと思いますよね? 自分でもそう思いますが一応理由があるんです。

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▲名義的にフタと呼称していますが一応リッドと呼びます。私はUL界隈で絶大な支持を集める三鷹の「Hiker’s Depot」で購入。

そもそも、このフタはハイソなキャンパー御用達の「snow peak」が出しているチタン製マグカップ専用と言うスーパーニッチなアイテムで、何故フタが必要かと言うとマグカップを直接火に掛けてお湯を沸かすため(メーカー非推奨)にあるのです。と言うのも、最近山では”ミニマリスト”、”ファストパッキング”、”ウルトラライト”という考え方が一大勢力で、荷物を軽くして、より速く、より遠くへ行こうぜ! ってな楽しみ方をしている人が急増中。詳細は個々にググって頂きたいとこですが、単に高級で軽いギアを揃えるのではなく、自分たちで創意工夫するクリエイティブな動きが活発で、誰が言い出したのか「このマグカップでお湯を沸かせば荷物軽くならね!?」てな具合でマグカップで湯を沸かす人が続出したのです。とは言え元々マグカップなので、メーカー自体が態々フタを作る訳もなく、やたら行動力がある人が細々と作って売ってるからこの価格になるというワケ。ちなみに、マグカップ自体は買う場所にもよりますが、フタよりは確実に安いです。

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▲アルコールストーブは今回「EVERNEW」のモノを使用したが、様々なブランドからリリースされているので選択肢は豊富。

そんな訳で、せっかく大枚はたいて買ったフタなので、web用のネタとして実際に使って湯を沸かしてみます。用意するのはこれまたファストパッキング界隈では定番のアルコールストーブと、燃料、風防、五徳の一式。昇る山によってはゴミと化しますが、ガスやガソリンタイプのバーナーよりもランニングコストや重量の点で優れるのでチョットした山やハイキング、トレランなどにも打って付け。また、アルコールストーブは燃料を燃やせればOKなので、アルミ缶などを使って割と簡単に自作することも可能。

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▲今回はライターを使ったがチャッカマンのようなものがあると便利。環境が原因か写真では分からないが一応燃えています。

使い方は超絶シンプル。アルコールストーブに燃料を入れて火を近づけ着火するだけ。ただし、火力や燃焼時間の微調整はできないので、水の量をもとに使用する燃料を計算して入れます。今回は300ml位だったので燃料は20cc位入れましたが環境によりけりなのであんまり参考にしないでください。燃料は薬局の化学薬品売り場などで数百円程度で売ってますので、ケチらずフィールドで使用する前に何度かテストしておきましょう。今回は匂いの少ない「奥田薬品」のモノを使用してみましたが、他社のでも大した違いは無いので手に入りやすいモノを選んでください。まぁ、色々と不便ではありますが、このめんどくさい感じが山って感じしません?

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▲画像の600サイズのマグは2人分ぐらいの湯沸しが可能。1人なら450サイズがオススメでオマケにイイ感じのフタが安いです。

火が着いてマグをセットしたら周りを風防で囲みます。アルコールストーブはめっぽう風に弱いので風防は必須。今回実践したベランダレベルでは不要でしたが燃焼効率などを考えて一応使っておきます。ちなみに風防と言っても要は金属の風よけなので、簡単に自作することが可能です。私はアルミのロング缶の上下を取っ払って板状にしたモノを最初は使っていて、最近画像のモノを購入して使い始めましたが、使い勝手は正直言ってイマイチ。燃料がしっかりと燃えていれば10分掛らないくらいで沸くはずです。アルコールストーブは燃料をすべて消費するまで火が止まらないものがほとんどなので、火が落ち着くまで本を読んだり煙草を吸ったりして待ちましょう。

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▲手軽なドリップパックを使いましたがストーブ自体が軽いので、その分をコーヒーミルの重量に充てるのもアリだ!

せっかくお湯が沸けたのでインスタントのコーヒーを淹れてみました……味はまぁ普通です。フタがあることで効率は上がったかと思いますが、味に一切変化はありません……当たり前ですね。さて、今回は高級なフタを使ってお湯を沸かすだけという何ともお粗末な内容になってしましましたが、第1回として何となく伝えたかったのがファストパッキングというトレンドと、その分野が所謂ガレージブランドや個人の創意工夫で今まさに盛り上がりを見せているということ。もちろん、大手のアウトドア系ブランドもガッツリ乗っかってるんですが、すべてに手が行き届いている訳ではなく、色々なアイディアの入り込む余地があるのが面白い。服だって例外ではないので、何となくオシャレ用に買ったアウトドアブランドのウェアがアナタの工夫次第で意外な活躍をすることも!? 今回の記事だけでは山の面白さは伝わらないかもしれませんが、ほんの少しでも山に興味を持っていただけたら幸いです。初回と言うことでダラダラ文字を書き連ねてしまいましたが次回からはUL(ウルトラライト)でいこうと思います。

最後にスゴクぶっちゃけますが、3000円のフタがなくてもアルミ箔あたりで十分代用が利きます。というか軽量化と言う観点ではそちらの方がモアベターです。まぁ、フタがあることで料理の幅は広がりますし、見栄えもバツグンで、スタッキングした時の収まりもヨシ。ただ、今回紹介したアルコールストーブでは火力が弱く、高山での使用にはいろいろと不安がありお湯沸かしてアルファ米(山のポピュラーなご飯)を戻すくらいしか使い道が……フタだけに身も蓋もない話ですが……。

warpweb担当・サカイ profile
30歳を手前にしたある日、色々あって山に開眼。スケート→トラックバイク→MTB→トレイルランニング→ファストパッキングというよく分からないクラスチェンジを繰り返しながら山に何かを色々と置いてきています。岩や冬山にも手を出したいけど装備&体力が……。

 

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