【#tbt】BEAT BOP ― JJJ

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05/11 11:35 UP DATE COLUMN

【#tbt】BEAT BOP ― JJJ

皆さんはSNSで良く聞く”#tbt”ってご存知ですか!? このハッシュタッグ日本ではまだまだ馴染みがないですが”#throwback thursday”の略称で、アップするネタに乏しい木曜日は、過去をみんなでシェアしましょうと言う意味なんだとか。誰が考案したのか知りませんが、web担当も思わずニッコリなシャレオツで理に適ったものを考えるもんです。そんなわけで、みんなで使うハッシュタグならパクっ……参考にしても問題ないだろうと言うことで、木曜は「warp MAGAZIN JAPAN」本誌に掲載された人気記事をディギンしちゃいます。まぁ……ようはリサイクルってことですが、内容は確かなのでぜひぜひご覧あれ!


ヒップホップの新たな可能性を広げた2ndソロ作が完成

2017年に入り精力的なソロワークが連続するFla$hBackS(フラッシュバックス)から、ビートの要を担う存在であり、前作『Yacht Club 』からこれまでの約2年の間にアンダーグラウンドから、より広い世界へと着実に歩みを進めるJJJが2ndソロアルバムを完成させた。
photo:Rintaro Ishige text:Ninomiya Keisuke

「今回自分のキーを掴めたのがでかいから、止めずに作れたらいいなって思ってますね」

warp(以下、W) 当初はハードな曲調にしようと進めていたけど、結局は方向が変わったと言ってましたが、過去のインタビューを見ると実は1stアルバムのときもまったく同じことを言ってましたよね。

JJJ(以下、J) そうですね。結局、最初思ったのとは違うものができるっていう。トラックとラップのマインドって全然違くて、身近なことをラップしたくなって。

W 曲のチョイスの仕方だったり流れとか、全体の方向性は1stと変わっていないと思っていて。わかりやすく言うと1stアルバムのアップデート盤みたいなイメージを思ったんだけど、自分ではどう思います?

J  あんまトリッキーなことはしたくないなって思ってて。ストーリーの続きというか、普通に延長線でやっていった感じっすね。

W それにしても、すべての部分で格段に精度が上がったと思うんですが、とりわけ音の鳴りがわかりやすく良くなったなと。一音一音が明瞭になりましたよね。少し前から使う機材をMPCからMACHINEに変えたそうですが、録音する環境も1stのころとは変わっているんですか?

J  前に録っていたのより全然いいマイクにして声録りがだいぶ変わって。それは結構軸になったと思いますね。それで自分の声が1本でもよく聴こえることが多くなったから、ラップに余計な被せとか入れなかったりして。それにプラス、トラックにも余計な音を入れなくてもいいみたいな。そういう感じで。

W なるほど。ラップの聴こえが変わったのに合わせてトラックも変わったんですね。ちなみに録音は自宅でやっているんですか?

J  そうですね。最初は自分の家でやって、あとは坪井さん(=illicit tsuboi )のところでいい感じに直してもらって。

W いい意味でのメジャー感があるなと。

J  メジャー感ってのはまったく頭になかったけど、シンプルが今作のひとつのテーマでもあったから。最近音数が少ないほうがかっこいいなと思ってて。

W 音数が少ないほうが多くの人に届くって思ったのはどういう考え方からですか?

J  荷物が少ないやつってかっこいいと思って。

W それとビートのゆれが、これまでの作品に比べると少なくなった印象を受けたんですがそこは意識しましたか?

J  全然そこは意識してなかったですね。

W フィーチャリングの曲は先にバースまで入れて相手に投げて作っていった感じですか?

J  そうっすね。キッドフレシノとの曲は、あいつにトラックを送ってたから先にバースが来たんすけど、それ以外は全部自分で入れた感じですね。

W フィーチャリングに頼んだ人へは何かディレクションはしたんですか?

J  いや、特にそれはしなくて。テーマとかなんにも言わず自分のバースと曲名を入れたビートを送っただけで。

W 自由に解釈してもらうみたいな。

J  そういうフィーリングが上手くいく人、わかってくれる人を自分の中で選んでいて。そこが遠くて伝わらない人とは、普段からやっていませんけど。

W その中でも以前別の媒体で、影響を受けたアーティストに名を上げていたスティッキーの参加は、今作のパンチラインのひとつでもある”もし全てグッドであれば書けない歌詞”からも読み取れるように、一見スタイルはまったく違うけど共通する世界観を持った2
人の熱い共演だなと。

J  結構いろんな人に「意外だね、あの組み合わせ」って言われるんすけど、自分のリリックをちゃんと聴いてもらうと、負のヴァイブスから来ているところがあるから、似ていると思うんですよ。似ているって自分で言うのもあれなんですけど。

W 映画とかもハッピーエンドで終わるより、バッドエンドで終わるほうがリアリティありますもんね。

J  自分、結構そういうやつのほうが好きなんですよね。

W 1stアルバムのリリースから今作までの間に、話題作のプロデュースワークも多く手掛けてきましたが。

J  自分の音に対する世間の反応が面白かったです。

W 提供したトラックはメロウな路線が多いですよね。

J  提供した人たちとかリスナーも含め、みんなそういうのを求めてるんだなって思いました。でも、そこにただ寄せていくんじゃなくて、どこかで挑戦的なパートとかを残していったつもりです。

W 今作にはそういったメロウなトラックもありつつ、これぞJJJと言えるギターリフを使った曲もふんだんに入っていますが、そういうのはプロデュースする曲には採用されないんですか?

J  ああいうのは自分で使いたいから人には送らないんですよね。実験的に作ったやつとか、自分じゃ絶対使わねぇなっていうのを人にあげたりして。そういう感じですね。

W (笑)。他の人には乗せて欲しくないってことですか?

J  そうなんすよね。自分が1番にできる自信があるからあげなくてもいいかなって。

W ギターで言うと、ヒップホップ以外のジャンルからの影響って受けてたりするんですか?

J  普段は現行のロックとかは全然聴かないんすけど、昔のやつとかはネタが好きなので聴いていて。レコ屋とか友達とかに教えてもらったりとか、あと好きなトラックメイカーが使ってるネタを”Who Sampled”ってサイトで探したりして、このバンドがいいって知ったりしてますね。

W ちなみに音楽に興味を持った、小学生とか中学生のころはどんな音楽を聴いていたんですか?

J  80′sなんですよね。CMタイアップとか映画の主題歌とか、超有名でみんな聴いたことある曲ばっか集めたコンピレーションが家にあって、それをずっと聴いてましたね。あとはビートルズとか。

W 家自体、洋楽が常に流れてるような環境だったんですね。

J  そうですね。そういうのが好きだったっすね。

W ビートは普段からライフワークとして作ってるんですか?

J  そうっすね。

W ラップはどうですか?

J  ラップは頼まれたときとか、考えごとしてるときにライン書いたりとかするぐらいで。そうゆうのが溜まっていったら曲にしてって感じです

W 今作の録りを始めたのは昨年の10月からだそうですが、リリックもそれぐらいから書き始めた感じですか?

J  その前から書いてたやつもあるんすけど、大体そこぐらいから終わらせていった感じで。

W では、全然書くのに時間かかっていないんですね。

J  そうですね。あと、時間を置いてから聴いちゃうと全然よく聴こえなくなっちゃうから。客観的にならないぐらいの何カ月かの間に全部作るみたいな感じでやりましたね。

W それは時間が経つと、そのときの自分はすでに次に更新されているからってことですか?

J  そうなんすよね。もっと上手くできるって思っちゃうんですよ。

W リリックに関しては、フリースタイルに近い感覚で録っていったそうですが、そこについてもう少し具体的に聞かせてもらえますか?

J  リリックの書き方なんですけど、あんま考えすぎずに自分の頭の中にある言葉がフッと出てきたやつを次の行に繋げて……みたいな。

W ひと筆書きに近い感覚ですかね。

J  そうですね。あんまり自分の知識をひけらかしたり見栄の張り合いとかそういう感じのではなくて、目に見えたことを一気に書く、そういう感じですね。

W 当初離れていると感じていたトラックとラップがフィットしたのってどのタイミングだったんですか? 2曲目の「ELA 」で手応えを掴んだそうですが。

J  自分のラップのキーを「ELA 」っていう曲で掴んだんですよ。1stとかはもっとキーが低かったんすけど、自分のキーがわかったときに、キーに合うテンションのトラックを作りやすくなったっていうか、見えてきた感じですね。

W 1stを出したときは、2ndをすぐ作りたいって言っていましたが、今はどうですか?

J  今回、自分のキーを掴めたのがでかいから、止めずに作れたらいいなって思ってますね。

W フェブとキッドフレシノの2人も精力的な活動をしているということで否応にもFla$hBackSとしての新作に期待してしまうのですが、それについてはどう考えていますか?

J  全然後ろ向きな考えではなくて前向きに俺は考えていて、本当にいいタイミングでできるときにやりたいなって思ってます。

W  ちなみにソロとして、次はどんなことがやりたいですか?

J  次は、楽器でいろんなフレーズを弾いてもらったのを自分のトラックに取り入れていきたいなって思ってて。そういうことがしたいですね。1曲のクレジットが自分の名前だけじゃない、音楽としていい意味で大掛かりのものを作りたくて。1曲にみんなのパワーが詰まっているみたいな。そういうのを作りたいですね。

JJJ profile
1990年式のラッパー/ビートメイカー。Febb 、Kid Fresinoとともに結成したグループ、Fla$hBackSの一員。ここ最近は手掛けたプロデュースワークが軒並み話題となり、改めてビートメイカーとしての非凡な才能を発揮する。
▼ALBUM information
タイトル名:『HIKAR』
アーティスト名:JJJ
発売元:FL$Nation / AWDR/LR2
発売日:発売中
リリースするや否や各方面から絶賛の1枚。それもそのはず、今作でさらに完成度を増したビートの上に、自らのラップに加え、鋼田テフロン、Young Juju、5lack、仙人掌、Sticky、Febb & Kid Fresinoの豪華メンツが集結。

 ※本ページは『warp MAGAZINE JAPAN』2017年3号に掲載された情報を再編集したものです。

http://www.warpweb.jp/feature/feature.html